閑静な住宅街に位置する築約40年以上の木造平屋建てのリノベーション。たまたま、縁があって情報をいただき、計画が始まった。
物件は、元々は畳部屋2間続きの趣のある昭和の住宅であり、築年数は40年以上経って空き家となっていたが、管理が行届いていたためリノベーションをお勧めした。リノベーションは新築に比べて、安価に住まいを手に入れることができることがメリットの一つだ。
ご予算が限られていたため、畳は、無垢のフローリングオイル仕上げにし、襖はチョークボードペイントを塗装した。壁は、DIYで珪藻土を塗り、欄間と天井はペンキで白くした。仏壇のあった場所もテーブルスペースに変身し、昭和の和室から、ガラリと雰囲気が変わった。また、キッチンは、古いキッチンセットの扉を外し、オイル仕上げの合板に交換することで、雰囲気を一新。背面には収納とカウンターをつくり、お酒を飲むなど、ゆっくりとした時間を過ごすことができるようになった。書斎は、ご主人の沢山の蔵書と奥様の古着販売の物置スペースとした。
今回は、お施主様のご友人たち延べ100人を超える方々とDIYを行い、 ワークショップも何度も開催した。「建物を設計して受け渡す」という従来型の建設の見方を変え、新しい設計施工のカタチとして、DIYを取り込む試みであり、弊社としても2016年当時でチャレンジングな取り組みとなった。DIY仕上げによる温かみのある表現や、人と人との繋がりをもたらすという意味での可能性も無限だ。