物件は、幹線道路沿いの古い鉄骨2階建ての建物であり、長年空き家となっていた。
「主要駅近くの幹線道路沿いの物件が、こんなに安く買えるなんて東京ではありえない」と東京から移住された奥様。
県内出身のご主人様と相談し、購入を決めた。計画は、1階を民泊施設、2階を住居として、住宅ローンの返済を、民泊の売り上げで補填するという当時としては、目新しい計画を立案した。
リノベーションでは、ご夫婦自らDIYに参加し、初めてDIYでモルタル塗りに挑戦した。モルタルは、珪藻土よりも固まるのが早く、仕上げにスピードが要求されるDIY中級レベルであり、同様に初めて挑戦したベルギーのBEAL(ビール)社によって開発されたMortex(モールテックス)のDIYでは、ワークショップも開催した。厳密な数量管理が必要とされ、モルタルよりもさらに柔らく、固まるのがとにかく早いため、左官技術にスピードが要求される上級レベルであった。壁の部分はほとんど、珪藻土で仕上げ、アクセントとなる壁は、PORTER’S PAINTで仕上げた。襖等は、有名なオランダの家具デザイナーPiet Hein Eek(ペート・ヘイン・イーク)のデザインしたクロス仕上げとし、緻密に計算されたヘリンボーンの柄は、立体感があり遠くから見ると本物かと感じる雰囲気だ。
真夏の炎天下の中で始まった家づくりでは、約4か月間にわたり途方もない作業を繰り返し、たくさんの方々と共にセルフリノベで創りあげた。これからも何年も、大切に丁寧に暮らしを紡いでいっていただきたいと思う。

SHOEIさんにDIYサポートをいただき、築45年を超える空き家を自宅と民泊施設へ改修いたしました。
DIYを通じて、自分で手を動かし空間を作っていく楽しみを学びました。
また玄関扉を探しにアンティークショップを巡ったり、古い建具や古材を探して取り入れたり、こだわりが貫けたのもとても良かったです。
DIYで身につけた経験を活かし、その後倉庫にしていた部屋も自分の仕事スペースへ改装しました。
今は子供が2人生まれ、家族の成長に併せながら住まいを変えていこうと思っているところです!